人生100年時代の人生設計の立て方を解説

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こんにちは、Webデザイナーの室崎恵子です。
今回は「人生100年時代の人生設計の立て方を解説」というテーマでお話ししていきたいと思います。

リクルート出身の民間校長として、数々の革新的な教育を実施し、現在は奈良市立一条高校の校長を務める藤原和博さんが提唱するキャリアアップ方法に、「100万人に1人の希少性のある人材になるために、異なる分野を組み合わせる」というものがあります。

「1万時間やり続ければ人間は1つのことをマスターし、特別な才能はなくても、その分野において100人に1人ぐらいにはなれる」という法則を活用した、次のような方法です。

  1. まずAの分野で、100人に1人になる。
  2. Bの分野に踏み出して、この分野で100人に1人になる。
    「100人に1人」×「100人に1人」で「1万人に1人」になれる。
  3. Cの分野で100人に1人になる。
    「100人に1人」×「100人に1人」×「100人に1人」で「100万人に1人」になれる。

ちなみに1万時間というのは、1日8時間、年間200日働いたとして約6年かかって達成できる計算になります。大体5~10年ぐらいでひとつの分野を修めるイメージです。

この数字を見て、途方もなく長く感じたかもしれませんね。

しかし、今後も平均寿命がのびていくなかで、超長寿社会がやってくると予想されています。
「これからのキャリアは、平均して2回、自分の専門性を変える必要が出てくる」とも言われています。

人生100年時代の人生設計を立てるには、キャリアを「掛け算」する方法がぴったり当てはまります。不確実な未来を主導権を持って生きる術になるでしょう。

「掛け算」するとどんな良いことが起こるのか?
掛け合わせる分野はどのように見つけるのか?
1万時間を挫折せずに達成するには?

これらについてお話していきたいと思います。
では始めていきましょう!

生涯かけてキャリアを「掛け算」する時代へ

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著「LIFE SHIFT—100年時代の人生戦略」では、人生はマルチステージ化すると述べています。
これまでは22歳ぐらいまでが教育の期間で、65歳ぐらいまでフルタイムで働き、その後は引退するという3つのステージの人生でした。

これからはみんなが同じ時期に同じことをする時代は終わります。いったんフルタイムで働いたあと、再び教育期間へ移行するなど、1人ひとりが違った働き方を選んで、自分にとって理想の人生を切り拓いていくことになるのです。

このマルチステージ化した人生においてカギになるのが、キャリアの「掛け算」です。

5~10年先を見据えながら複数の分野を掛け合わせて強みを増やしていき、生涯をかけてアップデートを続け、「1万人に1人」「100万人に1人」になるイメージです。

最近はすぐに結果を求められる傾向が強いですが、「石の上にも3年」ということわざの通り、ひとつの分野を修めるには本来それ相応の時間がかかるものです。キャリアを築くには長期間かかるものだと腹をくくると、無駄に情報に振り回されて焦ることも減りそうですね。

そしてマルチステージ化した人生では、いつ始めてもOKなのです。
30代ぐらいから気付いて40代~50代~60代でやってもいいですし、50代から始めても遅すぎることはないのです。

このような考え方を身につけていると、育児か仕事かの選択を迫られたときに、柔軟に解決方法が見出せるのではないかと思います。

「掛け算」は、自分で主導権を握って、理想の人生を設計するための手段なのです。

「掛け算」するメリット

キャリアを「掛け算」するメリットについて、さらに具体的に見ていきましょう。

1つの分野で勝負するよりも有利

2つ、3つの異なる分野で時間と労力をかけてそれぞれ「100人に1人」になり、分野どうしを掛け合わせて「1万人に1人」「100万人に1人」になる戦略のほうが現実的です。
特別な才能がなくても1万時間の努力を重ねれば、誰でも「100人に1人」になれるからです。

それに対して、ひとつの分野で「1万人に1人」「100万人に1人」になるのは至難の業です。

たとえば英語は学ぶ人はたくさんいますし、子どもの頃から英語環境で育った人たちのレベルに到達するのは至難の業です。

しかし、英語で「100人に1人」、料理で「100人に1人」の場合はどうでしょうか。
外国人観光客向けに日本料理を教える教室や飲食店を開けるかもしれません。

掛け合せによってユニークさを生み出し、それが他との差別化につながっていきます。

スキルの陳腐化を防ぐ

AI(人工知能)技術の進化によって今ある仕事の〇〇%は将来なくなる、という記事をネットや雑誌でよく見かけますね。

テクノロジーの進化が著しいため、ある分野のスキルを身につけたとしても、将来ロボットに取って替わられるかもしれません。

しかしAIが代替できない人間の価値は、創造力、コミュニケーション力、プレゼンテーション技術です。「美しい」とか「かっこいい」と思ったものは欲しくなりますよね。分野を掛け合わせて、感情に訴えかけるような付加価値を生み出せばよいのだと思います。

その例として「ネイルアート」が挙げられます。
美容や身だしなみとしてのネイルにデザインの要素が加わり「アート」にまで昇華したと言えるでしょう。

デザインのように創造的な分野だったり、または複雑な交渉だったり、人間にしかできない分野を掛け合わせることでAIにはない強みを発揮できます。

分野間で補完できる

複数の強みを持っていると、1つの分野の強みが他の分野の弱みを補完する効果や、相乗効果が期待できます。

日本テレビ『笑点』の元ディレクターで、生で落語を聞ける小料理屋を経営する中田志保さんは次のように語っています。

落語イベントと通常の小料理店という2つの売り&サービスがあることで、どちらかの売上が悪くても、もう片方でカバーできることなんです。もしどちらか一方だけで営業していたら、行き詰まったときに打開する術が見つからないかもしれない。

飲食業もイベント業も水商売なので、売上の上下は激しいのですが、落語の日も通常の日も売上が悪いという時期は、少なくともこれまではありませんでした。逆に両方とも良い時期もあまりないんですが(笑)。稼ぎ口が2つあることは、経営的な面ですごく助かっています。

2つの魅力でリスクを回避。『笑点』元ディレクターによる、「落語が聞ける小料理屋」の強み / マイナビ独立マガジン

未来のお金の不安から解放される

一生働けるスキルがあれば、「未来の備えのためにひたすら貯金しなければ!」という囚われから解放されます。

備えばかりを意識していると、長く生きることそのものがリスクになります。定年までのお給料を使わずにひたすら貯金、定年後はそれを切り崩しながら細々と生活・・・という生き方に魅力を感じるでしょうか。

しかも長い年月の間にはインフレがやってきて貨幣価値が急落してしまうことだってあり得ます。

それよりも、生涯現役で働くスキルを身につけるため、人と絆を結ぶためにお金を使うことで、自分の理想とする人生に近づけるのではないかと考えます。

掛け合わせる分野はどうやって見つける?

好きなことを軸にする

計算高くニーズで考えるよりも、直観的に好むことを軸にすることをお勧めします。

「好きこそ物の上手なれ」のことわざがあるとおり、誰でも好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりして自然に上達するものです。
楽しんで時間を積み重ねた結果、いつの間にか1万時間を達成できていた、というのが理想ですね。

自分が大好きな“犬”をモチーフにしたオリジナルデザインのステーショナリーを販売するネットショップ経営とWebデザイナーと家事を両立している黒川優喜さんの生き方が参考になります。
ネットショップ経営・Webデザイナー・家事を両立。夢の実現に向けた人生設計とは

近い分野で見つける

冒頭でご紹介した藤原和博さんは、「一つ目の分野と同じ分野はやらず、近い分野で踏み出してほしい」「3歩目をできるだけ遠くに踏み出すことで、周囲に敵がいなくなる」と述べています。

藤原さんの場合は「営業・プレゼン」×「マネジメント」×「教育」、この3分野で「100人に1人」の人になり、結果としてその3つを掛け合わせて「100万人に1人」の希少性を身につけた、と語っています。

社会的属性を掛け合わせてもOK

掛け合わせが可能なのは仕事のジャンルだけではありません。社会的な地位や立場(会社員、主婦等)、住んでいる場所など環境もその対象となります。

誰でも、ほかの人と差別化できる特徴を1つか2つは持っているはずです。

主婦ならではの目線や経験を活かした掛け合せが出来ますし、東京から地方へ移住をして起業をすることが差別化に繋がったりもします。

行動しながら見つける

一歩踏み出してみたいけど確信が持てない、という場合もあると思います。
最初から正解を見つけようとすると、かえって動けなくなるものです。
そんなときは、いくつかの選択肢を試し、比較検討してから決断するという方法をお勧めします。

失敗を恐れず、小さな体験をひとつひとつ積み重ねていきましょう。
行動して体験してみて初めて見えること、気づくこと、学べることがあります。
自分なりの答えに近づくには、頭で考えるより行動することです。

1万時間を続けるには

インプットと同時にアウトプットしていく

新しい知識を学んだときは、同時にブログやSNSなどでアウトプットしていくことをお勧めします。
インプットした段階では、何となく理解できたつもりになります。しかし、いざ人に話そうとすると、えっと何だったっけ?となってしまうものです。

学習したことを人に伝えるには、

  1. まずしっかりと聞く(読む)こと、
  2. 学んだことを論理的に矛盾がないように整理、
  3. 足りない知識を補足、
  4. 視点を変えて説明するなどして
  5. 文章や図解にまとめてプレゼンテーションする

というステップが必要になります。

これによって、思考が明確になります。また、記憶に残りやすくなります。

そして、アウトプットに対する反応をみて、修正、再行動するサイクルを回していくことで、学習の速度は劇的に上がります。

1万時間に対する達成度を把握

1万時間に対して、現時点で何%達成しているのかを計算してみると良いと思います。

たとえば毎日1日8時間を1年間、200日続けたとしたら、1,600時間。達成率は16%です。

「もう1年もやったのに」と考えると挫折してしまいそうですが、たった16%しか達成できていないことが分かると、いまの自分の状況が冷静に判断できると思います。

1万時間に達するまでどんなことを習得していけばいいのかという計画書や工程表を作ることで、質を高めながら、着実に積み重ねていけます。

収入面の問題

踏み出す分野が初めてなら、研修を受けているようなものですから収入の大幅減は避けられません。
しかし現役時代が長くなる人生100年時代では、目先の収入より長期的な視野で捉えるほうが得策と言えます。

目先の収入が減る代わりに、それまでの自分になかった新しいノウハウを得ることが出来るのです。
そのノウハウによって自分の価値を上げてさらに長い期間働くことができます。人生全体で捉えれば、決して損をしていることにはなりません。

ロールモデルを見つけよう

自分のお手本になるようなロールモデルを見つけることをお勧めします。

会社員が就業人口の8割を占めている現在は、「22歳から65歳までフルタイムで働き、その後フルタイムで引退する」という価値観の人が主流です。

キャリアを掛け合わせながら生涯働くスタイルに違和感を感じる人は多いのではないかと思います。身近にロールモデルになるような人がいなければ、イメージしづらいのは無理もありません。

ですが視野を広げるとお手本になるような先輩たちは存在します。

マイナビ独立マガジンでは、前職の経験を活かして未経験の業種に挑戦する先輩たちのインタビュー記事が紹介されています。
「今も試行錯誤の連続」という言葉に共感し、やりがいを感じながら人生を切り拓いている姿に強く励まされます。意外な分野の掛け合せや個性的な生き方が、ヒントをもたらしてくれるかもしれません。

生涯現役のお手本として、日本最高齢助産師の坂本フジヱさんがいらっしゃいます。
戦後70年以上、5千人近い赤ちゃんを取り上げ、94歳のいまもなお、現役生活を続けています。

出産以外にも子育て相談や中高生への性教育指導など、地域のよろず相談所としても活躍されています。出産後、仕事復帰をどうするかという悩みを相談しに来る女性も多いそうです。

坂本フジヱさんのように、自ら現役を続けながら、長年の経験を活かして若い世代をサポートする生き方は本当に素敵ですね。

まとめ

では最後に今回のまとめです。

人生100年時代と言われる超長寿社会はもう間もなくやってくると予想されます。
これまでの3ステージの人生(教育・勤労・引退)から、生涯現役で働くマルチステージに移行していくと言われています。

理想の人生100年を設計するには、「100万人に1人の希少性のある人材になるために、異なる分野を組み合わせる」という方法があります。

2~3つの分野で1万時間の努力を積み重ねて「100人に1人」になり、それらを掛け合わせて「1万人に1人」「100万人に1人」になる戦略です。

特別な才能がなくても、時間と労力さえかければ誰でも「1万人に1人」「100万人に1人」になれます。
1つの分野で「100万人に1人」を目指すよりも現実的です。

掛け合わせることでスキルの陳腐化を防いだり、分野どうしで弱みを補完したり相乗効果を発揮したりというメリットが期待できます。
また、未来のお金の不安が解消できます。

自分が直感的に好きと思える分野を掛け合わせる軸にして、新しい分野を修めるためにインプットとアウトプットを繰り返しながら質を高めていきます。

1万時間に対する達成率を把握しながら計画的に進めていくと、途中で諦めてしまうリスクが回避できるのではないでしょうか。

また、「私もこんな人になりたい」と思えるようなロールモデルを見つけることをお勧めします。
その人の長年の経験から紡ぎだされる言葉が、あなたを力強く後押ししてくれますよ!

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室崎恵子

職業:Webデザイナー
「4good(四方よし)」をコンセプトに、社会的意義のあるビジネスに取り組んでいる個人事業主の方に向けて、Webサイト制作やWebマーケティングのサポートを提供いたします。